第34回バーモントカップU12全日本フットサル選手権東京都大会において、和田ブルドッグは第3位に入賞しました。
過去3年間、予選で敗退している杉並の小さな小学校チームにとっては、予選を突破することが当初の目標でした。
予選を突破し、初めて進出した決勝トーナメントは全チームがビッグネーム、フットサル専門のチームばかりで我々が勝てる要素はほとんどありませんでした。
しかし結果は第3位。
今回は特別にブログを2回に分け、決勝トーナメントの一戦一戦の軌跡を偉人たちの名言とともに振り返りたいと思います。(第2章はこちら)
「藤浪、俺はおまえの噛ませ犬じゃないぞ!」
長州力
トーナメント一回戦はFC東京フットサルスクールでした。言わずもがなJリーグのビッククラブ、キラキラの赤青のユニフォーム、ホームは今回の会場となった体育館のお隣、味の素スタジアム。和田小で破れかかったユニフォームをツギハギして10年間も使い続けてる我々にとっては眩しすぎる相手でした。
会場の入り口がわからないほど慣れない舞台、全てが初めての経験の和田ブルにとって、初戦は明らかに浮き足だっていました。やはり前半早々に先制点を奪われます。ですが、我らがエースのキレキレのプレーですぐに2点を奪い返し、逆転します。しかしここからがビッグクラブ、状況を見てファーストセットに入れ替え的確な指示で同点に追いつかれてしまいます。試合はこのままタイムアップ。今大会初めてのPKとなりました。
「人生は一度きり、だから思いっきり楽しむべきだ。」
長州力
会場中が固唾を飲む中で、我々だけは雰囲気を楽しむ余裕がありました。なぜなら我々には絶対的な守護神がいる、そしてこれまで数々の舞台で何度も苦しいPKを制してきた経験があるからです。
和田ブルは全員が決めることができました。結果、杉並の噛ませ犬が今大会1つ目の番狂わせを起こしました。
「俺の一生にも、
一度くらい幸せな日があってもいいだろう。」
長州力
トーナメント二回戦は前年度のバーモントカップ都大会王者、フウガドールすみだエッグスです。泣く子も黙るフットサルチーム、Fリーグの雄、キングオブキングがここで登場です。
会場中の視線がピッチに注がれているのがわかりました。王者フウガドールがどんなプレーをするんだろう、相手のチームはどこなの?!そんな声が聞こえてくるようでした。
前半開始すぐに先制点を奪われ、なんだか重い雰囲気のまま前半終了。ハーフタイムにみんなで気合いを入れ直しました。
「それがお前のやり方か?」
長州力
6年生がこれまで数々の激戦を勝ち抜いて来たスタイルをもう一度確認し、気合と共にピッチに送り出しました。後半すぐに同点に追いつきます。ヘッドコーチから言われ続けてきた、ゴール前でリズムを変えること、3人が絡むまさにその形での同点ゴールでした。
その後は一進一退の攻防が続き、今大会2度目のPKとなりました。
「自分の力を信じ、常に前を向いて戦うこと。
それが大切だ。」
長州力
会場の全視線がピッチに注がれていました。前年度のチャンピオンがよく分からないチームに苦しめられている、5人目が終わり、勝敗がつかないまま、9人目まで来ました。この時、心のどこかで、和田ブルは十分頑張ったよな…と思ってしまう自分がいました。
しかし会場は「名前はよくわからないけど異様に一体感のあるチーム」の応援の声が響き渡っていました。ピッチから上を見上げると、選手や保護者の方全員が前のめりで応援してくれていました。
9人目は合宿で唐揚げおかわり最多記録を持つ裏エースの出番でした。大声援に後押しされ、普段より緊張した面持ちで蹴ったボールはこれ以上ないコースに決まりました。
会場は歓声、涙、世紀の番狂せを目撃してしまったショック、色々な感情が広がって異様な雰囲気になっていました。
「この会場の雰囲気をつくっているのはみなさんです。引き続き、選手に向けて熱い声援を
よろしくお願いします。」
長州力
この試合で言えることは、会場の雰囲気を変えるほどの応援で勝たせてもらった、ということです。今大会に限らず、雨の日も真夏日でも常に選手を信じて最後まで応援してくれる保護者の皆様がいます。
足が動かない時、気持ちが切れそうな時、何度も食らいついてこれたのは間違いなく応援のおかげです。
結果、和田ブルドッグは都大会ベスト8に進出するという快挙を成し遂げました。(第2章に続く)
こだまコーチ